コミットおすすめ本 NO.2 池上彰の「日本の教育」がよく分かる本


みなさんこんにちは、塾長の船津です。

今回紹介する本は池上彰の「日本の教育」がよく分かる本です。
主にみなさんに関係する部分を紹介します。

みなさんは自分の受けている教育についてあまり知らないまま授業を受けていないでしょうか。
今回この本を紹介するのは、今まさに中高で教育を受けているみなさんにこそ、
どういった経緯で今の教育指導要領ができたのか、大人が何を思って自分たちを教えているか考えてほしいと思ったからです。

 

これまでの日本の教育について

日本の教育方針はこれまでに大きく7回変わっている

日本の教育方針は世の中の人々の意見である世論によって大きく左右されてきました。

指導方針の変遷

戦後すぐ、GHQの方針に沿った指導要領では 「現場の先生の創意工夫による授業をする」
ことを目標としていましたが、先進国に早く追いつきたいという時代の流れによって
内容が盛りだくさんの、いわゆる 「詰め込み式」 の教育方針に変わりました。
しかし、その後落ちこぼれの生徒が増えたり内容が多すぎて消化しきれないということで、1977年には学校にゆとりをという方針に変わり、教育内容が削減されました。
さらにそこから2008年の脱ゆとり教育にかけて指導内容の削減が行われました。

そして2008年 脱ゆとり教育

みなさんが受けている脱ゆとり教育のは世論が 「学力低下」 を危惧するようになったことをうけて内容が大幅に増加しました。

 

成績表は自分の何を評価しているのか

以上のように教育は大きくその方針を変えてきました。
では実際に皆さんはどのように先生から評価されているのでしょうか。
2002年度までは生徒の評価方法が相対評価だったものが、2002年度から完全に絶対評価になりました。
ここでは相対評価と絶対評価についてまとめてみましょう。

絶対評価

・相対評価とは通知票の評価毎に上位何%までをその評価すると決める評価法です。例えば40人のクラスで上位10%までを5すると決まっていると、5がつくのは4人になります。

・絶対評価とは、ある目標を決めてそこまで到達していれば人数に関係なく全員にその評価を与えるという評価方法です。例えばテストで80点以上を5とすると決まっていて、40人のクラスで全員が80点以上をとると全員5がつくことになります。もちろん実際は提出物や授業態度を加味するため、このように簡単ではありません。

絶対評価の問題点

絶対評価は生徒の頑張りそのものを評価するため、とても良い制度ではありますが、問題点もあります。先生や学校によっては評価の指標がずれる可能性があることです。例えば同じくらいの点数を取れていても厳しい学校では評定が 3、優しい学校では 4 をもらえるといったことも考えられます。
通知票の点数は進路を左右する重要な数値ですので、これに対しては評定分布を後悔するなどして公平性を確保するための試みが行われています。

 

学力とはなんだろう

これまで、指導要領と評価方法の変遷について見てきました。
ではこの変遷はどのような経緯で起こってきたのでしょうか。
教育とは子どもに将来を生きていくための学力を身につけさせることです。
教育指導要領の方針変更は必要とされる学力が時代によって変わっている(もしくは変わったと思われている)からです。ここでは今教育で重要視されている学力観について考えてみましょう。

最近の学力観の変化

1989年の指導要領改定で 「新しい学力観」 が導入されました。
知識の詰め込みではなく、その知識を元に 「自ら学び、自ら考える力」 を学力であるとするものです。これは最近まで行われていたゆとり教育でも重要視されており、「総合的な学習の時間」 を増やすなどの試みが行われました。 この考え方はとても良いものだったようですが、現場の先生方の間に大変な混乱を招きました。また総合的な学習の学習効果の評価をすることができなかったために、結局はPISAテストのようないわゆる 「学力テスト」 でしか評価できず、またその成績が下がったのを見て世論が 「内容を減らしたゆとり教育によって学力が下がった」 となってしまったために、現在の脱ゆとり教育に舵を切ることになりました。

学力は下がったのか

本書によると、一概に学力が下がったとは言えず、また成績が下がったと言われている年に子どもたちはゆとり教育を一年間しか受けていないため、その結果を 「ゆとり教育による成績低下」 と判斷するのは論理的でないとしています。

文科省の学力観 これからの学力

学力とは知識を詰め込んだ結果だけでは評価できません。これまで習得した知識を活かしてよりよい(自分の)未来を創造していけるかどうかが重要です。また教育方針に関しては子どもたちがそのような学力をつけることができるよう、大人たちも長期的な目線で教育を考えなおすことが必要になってくるでしょう。
文科省としてもこのような方針で教育改革を進めていくようですが、今までの教育指導要領が、世論によって大きく動かされてきたことを考えると。長期的な目で見た教育方針についてはまだまだ課題が多いのではないでしょうか。

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