コミットおすすめ本No.3「ゲームとゲーミフィケーションのあいだで」
みなさんこんにちは、コミット塾長の船津です。
今回はゲームクリエイターの水口さんとゲーム研究者の井上さんが書かれた本を元に「ゲーミフィケーション」について紹介します。
教育のIT化の現状を鑑みると、今後は教育分野でもゲーム化と効率化が進んでいくのではないかと考えいます。
ゲーミフィケーションとは
wikipediaによると、ゲーミフィケーションはゲーム化(gamefy)という言葉から派生したもので、2010年頃から使われだしました。
ゲーム化とだけ聞くとなんだか不真面目な印象を受けますが、ゲーム化とは一体どういうことなのでしょうか。
例えば皆さんがゲームをしている時、集中しすぎて時間を忘れてしまっていたことはないでしょうか。
ともすればお母さんから叱られてしまうこの現象ですが、これは心理学者のチクセントミハイによって「フロー状態」と名付けられた状態に入っているために起こる現象です。
フロー状態はゲームだけが起こすわけではありませんが、ゲームをしている時にフロー状態に入りやすいため、これを仕事などの社会活動に応用していこうという取り組みがゲーミフィケーションです。
またマーケティングなどにも用いられ、SNSで「○○の記事をシェアすると30%OFF!」などと書かれているのもそうです。この場合、「割引」や、シェアした記事にいいね!してもらうことを「報酬」とした一種のゲームとして見ることができます。
何が良いのか? どう使われているのか?
ここではゲーミフィケーションの良い所と使われ方を簡単にまとめてみます。
フィードバック、報酬、可視化
「Twitter」「Facebook」のいいね!機能や、企業の社内SNSにおいてもいいね!機能や実装し、社員のコミュニケーションを円滑にしようとする試みが行われています。
こういったお互いの発言に対してのフィードバックが仕事のモチベーションアップに繋がります。ゲームで一定時間プレイするとレベルが上がる(報酬がもらえる)ように、現実の仕事でも何らかの報酬があると良いようです。
いろいろなものを可視化、点数化する試みが行われています。今日走った距離、会社員の営業成績、芸術品の美しさ、車の燃費などを可視化して、いままで何気なくやっていたことでも向上心と楽しみをもってできるようになってきています。
今後IoT化が進んでいくにつれてより多くの情報が可視化されていくでしょう。
他者との協調
科学の難問をゲームとして解くことを考えてみます。解きたい部分をゲーム化し大人数で取り組むことで、一人では出来なかったことが出来るようになります。実際に遺伝子の問題などがこの手法で解決しているようです。
研究に限らず様々なものが、分野を跨ぐ協力プレイによって解決していくことになると思います。
まとめ
ゲーミフィケーションを意識することは少ないかもしれません。しかし普段使っているスマートフォンを考えるだけで、そこにいろいろな人のゲーミフィケーションの工夫を見ることができます。
スライドさせれば流れるように動き、アプリは日々の通信量を計算して可視化、持って走れば距離と時間と消費カロリーを表示してくれます。また多くいいねがもらえるよう自分のプロフィールを面白い写真にしたことがあると思います。これらは意図されているかはわかりませんがゲーミフィケーションといえる要素を含んでいます。
情報化社会への転換とゲーミフィケーションの考え方が製品、マーケティング等様々な分野に応用されることが普段の生活まで変えてきています。
若い皆さんがこれまで挙げたようなことをするのは難しいですが、日々の生活もゲームとして捉え直すことで楽しめるようになる余地は十分にあると思います。
みなさんも普段の生活や勉強を楽しめるよう、小さなゲーミフィケーションからはじめてみませんか?